欲は雪だるまのように
真っ白に広がる銀世界。自然のペイントの中で最も神秘的でもあり、淡泊でもある。
この上に描かれる絵画はどんな色彩も際立って目立ってしまう。
妊婦の婦警。日々仕事に追われながらもささやかな幸せに満足を感じている。夫はちょっと頼りないけど、胎児の鼓動という生命の神秘は大自然とシンクロし、彼女にとって名曲を奏でる。
一つの小さな欲が大自然の真っ白なペイントの上を加速をつけて転がりながら最後は大きな球体となり、大爆発する。真っ赤な色彩は背景とのコントラストで一層際立つ。
車中、妊婦の婦警はハンドルを握りながら、爆発の残骸に対して絞り出すようにつぶやく。
「人生はもっと価値があるのよ。こんなにいい日なのに。」
ありがとうございます。