ジャンプの裏表紙
中学時代に一緒に学校に通っていた友人。
ある日の学校の帰り道。
「俺本当にあたまよくなりたくてな、記憶術のサンプル申し込んだんや。」
「なに、それ?」
「あのジャンプの裏表紙にのってるやつ。」
「ああ、なんかタートルネック口まで引っ張ってるやつ?」
「それ包茎や。」
友人は本気で自分のあたまの悪さに思い悩んでいたらしく、激しく悩みぬいた末、記憶術にいきついたそうだ。
数日後、サンプルのテープが届いて、それを毎日聴いていた友人。
「記憶術どうなん?」
「オレなんかあたまよーなった気がすんねん。」
「そうなん?」
「でな、本申込みしようと思うんだけど、50万くらいかかるからな。」
「50万!?」
友人はその夜、両親にそのことを話したらしいのだが、おやじが激怒しぶん殴られ、泣く泣くあきらめた。
自分の頭のわるさを思いつめた彼はすさまじい決意で両親に話したのだが、もろくも玉砕し、そのあとはしぶしぶ勉強を続け、まあ普通の高校へ進学していった。今も普通に生きてます。オチはありません。青春時代のある一コマ。
ありがとうございます。