人間の自我とは何か?ここに答えがある。
日本の漫画は世界的に評価されているといわれていますが、埋もれている名作はまだたくさんあるわけです。
小説ではドフトエフスキーの「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」なんかは世界的な名作なんて言われてますが、ちょっと小難しくて、読みにくい面もあります。そういう難しい思いをしなくても、こんな身近に人間の自我の本質に迫る名作が埋もれているところに日本の漫画の奥深さを感じさせます。
生後間もなくの大病、
里子に出され親のぬくもり知らぬ生活、
吉野の山の深い闇、
祖父亀吉の冷たい態度、
これらは一期に
世界は基本的に悪意に満ちたものであると教えた。
六田先生は「F-エフ」で知っていました。すごい人間ドラマだなって当時読んだときは感銘を受けたものですが、この「ICHIGO」では人間の自我とは何か?の答えを出してしまったような印象を受けます。これほどの洞察力を発揮するには、相当人間観察をされたんだと思います。
昭和の歴史に沿った哀愁あるストーリー展開も心にきます。六田先生は大阪出身だったのですね。
ありがとうございます。